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そういえば、零也が一人なのは珍しいけど政基はいつも一人な気がする。なんで買い物に行かなかったんだろうか。
「なぁ零也ぁ」
「うん?なぁに」
「散葉さんのあの力って七海ちゃん継いでるのか?」
六色の力。
雪山で散葉が暴走させた力だ。命以上の電撃、散葉以上の火術。その他にも四つあった。
確かにそれを継いでるなら力の使い方を覚えさせないと危険だ。
「わからない。帰ったら七海に聞いてみるよ」
「そっか」
会話が途切れた。
いつもならあんまりないことだ。
「零也」
沈黙を政基が破った。
「俺、弱いな」
「え……」
「鬼太郎さんのときも、この前の花見も今回の事件だって俺はなんにも出来ない」
「そんなことっ!」
「わかってるんだっ!」
零也の弁護を遮って言葉は続く。
「今の俺じゃあ、響さえちゃんと守れやしねぇ。ましてやお前なんて……ははっ、今ならお前の方が強い」
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