プロローグ:俺と親と借金と

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時正と秋貞は有名な武士の祖先で我流派の稽古を受けている。昔、だから名前が古いんだーって言ったら152センチの時正に投げられた。どうやら体術も心得てるよう。 「かなちゃん、一緒に帰ろ?」 「かなちゃん言うな」 俺は二人が鞄を持っているのを見て、そそくさと机の中にある勉強道具をスクールバッグに収納した。 「アッキー、お腹空いたー」 「家まで10分、我慢」 「えー!?」 「時正はワガママだからチビなんだよ」 「うるさいなー」 帰りに商店街を通り俺らは家までのショートカットを試みていた。             ここで先生に一度見つかり、買い食いしてたのか!? 悪さしてたのか!? ってしこたま絞られた事は記憶に新しい。その事もあってショートカットは週2回と決めていた。やめるという術は無い。 「今日、そういえば雪代さん休みだったねー」 「雪代さん?」 突然、時正が雪代さんとやらの話題をふってきた。 今まで気だるく歩いていた俺が質問する。
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