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「明日見てみなよ!すっごい可愛いよ?」
「あー、そうするわ。おっと、ここまでだな。さようなら」
「バイバイっ!」
「また明日」
商店街を抜けて、交差点になっていた。ここから右が俺の家で、左が凸凹コンビ。
ブンブンと手を振るチビ(高校二年生だが小学生に見える)と、丁寧に同級生に礼をするノッポ(もはやオーラは老人の風格がある)を後に家へと足を動かした。
気付いたのは家まで100メートル位の位置だった。
我がマイホーム(築5年)の前に高級そうな黒光がシックにきまる車を発見した。
太陽が車に反射すれば、もうそれは芸術の域に達するほど。
程無く、黒スーツの三流映画に登場しそうな柄の悪い男が4人マイホームから出てくると両親はしきりに腰を折り深々と礼をしている。
嫌な予感が閃光の如く走る。夕日に変わる太陽も笑ってはくれない。ずきずきとすれ違う何か。
車が反対方向に行くのを見越して両親の元へ必死に走った。顔が違う意味で火照ってきた。
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