プロローグ:俺と親と借金と

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「母さん!」 「あらぁ、要ちゃん。どうしたのぉ、そんなに急いでぇ」 「どうした、父さんの懐に飛び込みたくなったか、わっはっは!」 「あらあらぁ」 ぐ、なんて悠長な馬鹿な家族なんだ……俺が走ってきた理由くらい分かるだろう、馬鹿な家族、あーもう、バカゾクが! 「さっきの人達なに?」 「ああ、あの人たちか」 「実はね要ちゃん。私たち……」 ぞくりと悪寒がした。いや、した所かスピードは、かの100メートル界をリードしたモーリス・グリーンも裸足で逃げ出すスピードだった。                      母親の口を塞がなければ。しかし、どうにも身体が石になってしまって…… バカゾクは顔を見合せ言った。
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