プロローグ

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そして、映画館の出口を出ようとした瞬間― ドンっ (あれっ何かにぶつかったみたいだな。) そして翁が顔をあげてみると、そこには… なんと、3人の柄の悪い男が翁の行く手を遮っていた。 「やいやい爺さん痛いじゃねえかよ。 せっかく映画の余韻を楽しんでいたのに、爺さんのせいで醒めてしまったじゃねえか。 おいっ爺さんやどう落とし前をつけてくれるんだ。」 どうやら彼らの中の一人と翁が出口付近でぶつかったのだろう。 「それはすまなかった。ではわしらは急ぐので失礼する。」 と翁はこの場を離れようとしたのだが、それを許さないのか彼らの中でも特に図体のでかい男が翁の着物を掴んでこう叫んだ。 「謝ってすむくらいなら警察はいらん。俺達の縄張りで、勝手なことをされるとこっちが困るんだよ。さっさと慰謝料をよこさんかい。」 (ヤクザか…。負けることはないだろうが、道男の身に危険がおこるといけないし、さてどうするかの…) 「おいっヤクザが爺さんを脅しているぞ。」 「爺さんヤクザに絡まれて可哀想に…」 「助けてやりたいけど、ヤクザに刃向かうと後が怖いからな…。」 「何事だ。何事だ。」 そうしているうちに次々と野次馬が翁たちの周りに集まってきた。
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