11人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
高宮とは、腐れ縁、と言ったほうがいいだろう。
幼なじみの延長のような気持ちで、私は『許嫁』という立場を受け入れている。
けれど実際は、お母さんのお腹の中にいる時から私たちは『許嫁』だった。
だから『許嫁』という枠組みの中に、今の私たちの『幼なじみ』というポジションがある。
不思議だ。
高宮とは、5日違いで産まれた。
お母さんたちが、同じ病院の隣のベッドだったことがきっかけで家族ぐるみの付き合いにまで発展した。
そしてお父さんたちが冗談の1つとして交わした『許嫁』という約束が、今も生きている。
私と高宮は、学校中、あるいは業界内で、もはや公認だった。
最初のコメントを投稿しよう!