星雲の静けさ

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 午前二時。美月の家についた。相変わらず家に人の住んでいた形跡が少ない。実際にこの家に住んでいるのは美月だけだった。  私が初めて美月の家に来たときは祖母と二人で暮らし、両親は美月が五歳の時に共に自殺を図り亡くなった。それを聞かされたのは知り合ってから一年くらいが経ち、美月の祖母のお葬式が終わった夜の家でだった。  何故それを思い出したのかと思うと簡単に答えが出た。あと一週間で美月の祖母の三回忌だった。 「麦茶飲むか?」 「少しちょうだい…」  私も歩いた疲れが足にきていた。幼い頃から関節が弱かった私は長時間の徒歩などはさすがにこたえた。  麦茶を注ぎソファーに座っている美月にわたし私も隣に座った。
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