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ソファーはゆっくりと沈み、疲れた体を優しく受け止めた。触ってみるとしっとりとしていてざらつきはない。革で作られているそれは手入れが施されていた。
「これ、まだ手入れしてるのか」
「何となくだよ、やることない日によくやるだけ。おばあちゃんにさんざん言われてきてたから」
「でも続けてやるってすごいことだぞ?ましてや革ソファー手入れするなんて。普通匂いがつくからやらないものだとおもうけど」
「匂いついてて悪かったね。でも匂いなんてすぐとれちゃうしこれには愛着あるから」
そう言いながらソファーに触る。その横顔は長い髪に隠されていて表情は見えなかった。
「んで、オレはどこで寝ればいいんだ?」
「…………っあー。すっかり忘れてた。てゆうか今……二時過ぎてるし………」
「歩いて帰ろうか?そんな距離ないし」
「はい却下。今からじゃつくの三時過ぎだよ。いくら優でもそれは疲れちゃうでしょ」
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