4人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえば、膝撫でてくれるの美月だけだな」
「そうなの?お父さんは撫でてくれないの?」
「こんな年齢になって親に撫でてもらうわけないだろ」
「それもそうだね」
お互い笑った。
それほど笑える話ではなかったが、心の底から笑った。
昔お互い境遇が似ていてその話で笑ったことがある。思い返してみれば彼女との思い出にはいつも笑顔が含まれている。
なぜここまで笑える自分が不思議なくらいに。
風呂のベルが鳴り響き、風呂が沸いたことをしめした。
「さ、早く入ってきちゃいなよ。私はあとで良いから」
「わかった…ありがとな」
「まったくだよ。乙女より先に入るとか無神経なんだから」
「じゃあ入らない」
「じ、冗談だって…」
最初のコメントを投稿しよう!