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「……暑い」
その単語だけが頭の中から離れない。
それもそのはずだった。今は夏真っ盛りの七月下旬。世間では祭りで浮かれ騒ぎ。
テレビでは一週間に数回のペースで人が死んでいくのをスクープにし、痴漢や数多の事件を発表する。
ただそういう事が起きていても自分的に夏は好きな分類に入っていた。
深夜の星空で見るさそり座や、白鳥座。セミは夜中でも光があればよく鳴くし綺麗な蝶や神秘的な蛾が日夜を入れ替わり舞う。
そんな夏が私は好きだった。
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