星雲の静けさ

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 甚平に着替えビーチサンダルを鳴らしながら薄暗い道を歩く。私は不釣り合いと言うのが好きではない為今回は自転車を使わなかった。歩いて十数分の所に最寄りの駅があるのも今回は一理あった。  駅に着いてもまだ電車がくる時間帯ではなく、改札を通り抜け、空いているベンチに腰をおろした。  ふと空を見上げると一等星の星が周りの光に負けじと瞬きだしている。自宅がある地域は周りと比べても都会とは言えず、その影響か駅の屋根は少なかった。  いくら日が傾いた夕方でも日中の残暑があり少々暑い。電車が到着し会社帰りの人や電車がよいの高校生が出て行くのを確認して足早にドアをくぐった。 「この頃痴漢が多いよねぇ。あったまきちゃう」  私の隣を女子高生が通り過ぎた時そんな事を言っていた。
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