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「早いね、まだ五十分だよ?」
「念には念を、美月(みづき)との約束は破りたくないから」
目の前の少女は今時珍しく背中まである黒髪に、ピンク色の浴衣を着、帯には浴衣と同じ色の蝶が散りばめられていた。体系は少し華奢で身長にも恵まれていない。ちょうど私の肩あたりが彼女の身長だった。
「ふぅーん」
そう言い、小さな顔に笑みを浮かべながら私を上目遣いで見上げる。
「じゃあなんでこの頃あってくれないのかなぁ?」
「それは……ごめんな」
「うふふ、謝んなくても大丈夫だよ。ちょっと意地悪してみただけ。……キスしてくれる?」
「ここで?」
「うん、キスして!」
両手を広げ、私の首に手を回した。美月の体を抱き寄せて唇を合わせる。それでも飽きたらず舌を絡ませた。
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