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勇者―――それは限られた者にしかなれない。
その勇者は魔王を倒すために存在している。
つまりは魔王がいるから勇者がいるのだ。
「それだったら勇者は居ない方がいいね」
俺の顔を見て何処ぞの魔女はいった。
魔女といったら黒いとんがり帽子に黒いワンピースというものだと思っていたのだが、こいつは帽子の代わりに頭に黄色いリボンがのっけられワンピースだがピンク色という魔女っぽくない色だ。
「人は英雄を求めているんだ。だから勇者はいる」
「結局自己満足?勇者さん」
そして魔女はいやらしい笑みを浮かべた。
少し時間は遡る
平和な日々を楽しんでいた俺に嫌な知らせが届いた。
「魔王が蘇ったらしい!」
その知らせは俺が永遠に聞きたくなかったものランキングでぶっちぎりの一位だった。
で、俺は勇者という血をひいているそうだ。
ちなみに俺の親父はツチノコを探しに行っていて未だに帰って来ていない。
俺に兄弟はいるが小さなガキだ。
結果俺が勇者だ。
俺プレッシャーに弱いんだよな。
ちえっ。
「勇くーん。王様からの手紙よー」
俺のオカンはご飯の時と同じように言いやがった。
「へいへい、今行きますよっと」
そして俺は象よりも重い腰をあげた。
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