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「何者……
そうだな、『お前らを潰す者』とでも言っておくか。
それにしても残念だったな。
仲間の一人が少しだけ俺の気配に気付いたのに斬られるなんてな。
ま、万が一逃げても逃がさないけど」
その言葉に残った男達は一斉に後ろを振り向いた。
その視線の先には先程立ち止まった男がいる。
しかし彼の視線は己を見る視線のどれとも合わず、少年に向けられており、その目はこれでもかというほど開かれていた。
「危ない!」
突然その男が叫んだ。
だがその叫びも虚しく、男達は次々と倒れていく。
「敵から目を離すなんて自殺行為だ。
そう思わないか?」
男ただ一人を残し全てを斬った少年はそう言った。
「君は、一体……」
「言ったろ?『お前らを潰す者』だ。
まあ、俺に気付いた褒美として三つだけ質問の許可をやろう。さあ聞け」
少年は両手を広げて大仰に言った。
左目しか出ていなくとも、彼が厭味に笑っていることは読んで取れた。
「……ありがたくいただくよ。
まず一つ、君はいくつだい?」
「あと少しで十四。残り二つ」
男はあからさまに顔を歪めながらも質問を続けた。
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