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「おぉ。明日香か。お母さん居るか?ちょっと代わってくれ」
お父さんだった。いつもと同じ口調で要件を私に告げる。
受話器をお母さんに渡した後で、そういやお父さんバアちゃんに付いて病院に行ったのだったと思い出した。
「………えぇ………
そう…………
わかったわ。支度が済んだらそっちに向かうから………」
明らかに声に力がなかった。泣きそうな顔をみて私も泣きそうになる。
「…明日香…………
バアちゃんが………
たった今………息を引き取った……って……」
お母さんはそう言うと顔を両手で隠し、膝をついた。
私はその場に立ったまま、涙が枯れるまで、声が出なくなるまで、また泣いた。
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