バアちゃんのなる木

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  「嘘つき!お母さんの嘘つき!! 大丈夫って言ったじゃん! 何回も何回もさっき言ったじゃん!!」 お母さんは一言『ごめんね』と涙を拭きながら言う。 お母さんを責めるのも謝らせるのも違うと分かっていても、もう私は止めることはできなかった。 そうしないと怖かったから。 ……まだ子供だったから。 しばらくして私たちは病院へと向かう。 私は静かに泣き、お母さんは何も言葉を発しなかった。  
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