バアちゃんのなる木

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  夜だから外来患者の人影はなく、病院は静まりかえって不気味な印象を与える。 お父さんが一人でロビーに座っていた。指を組んで前屈みの格好だった。 胸が苦しかった。 そんな落ち込んでる姿を見たから。その原因は私にあるから。 「……あなた」 「…ああ」 お母さんの呼び掛けに応える。そして病室へと重い足取りで向かった。  
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