12人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ痛っ!」
朝から僕にこんなことをする奴は一人しかいない。
「おはよー春人(ハルト)。今日も猫背になってるよー」
カバンをぶつけたことを謝る気配は全くなく、僕の横に並ぶ。
「……夏月(ナツキ)…お前なぁ…」
「ねぇ何聴いてんの?聴かせて聴かせて」
そう言って僕の了解を得る前に片方のイヤホンを奪う。
「へぇー春人ってこんな曲を聴くんだ。ちょっと意外。てっきり私はアニメの歌かと思ってた」
「失礼な」
この失礼な女・夏月は僕と同年の幼なじみだ。
近所で親同士も仲がよく、本当に小さい頃から知っている。
気が小さくて取り柄のない僕が唯一、話しができる女子だ。
ま、女と意識したことはないけど。
最初のコメントを投稿しよう!