虹の彼方へ

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  部屋にあったメモ紙に『しばらく借りるよ。春人』と書き込んで兄貴の部屋に入る。 この前、勝手に借りた時と同じ場所にCDはあって、それを取る代わりにメモ紙を置いた。 夏月も、これを聞けば少しは元気になるはずだ。 そう思い、母さんに持たされたリンゴとCDを持って夏月の家へと向かう。 「春人遅いよ!私に会えなくて寂しくなかったの!?」 なんて言うに決まってる。あいつの事だ。いつもの調子で減らず口を叩くんだ。 リンゴを空中に低く投げて掴むという行動を数回しただけで家の前に着く。それぐらいのご近所ぶりだ。 チャイムを鳴らすと弟の秋良(アキラ)が出た。  
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