虹の彼方へ

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  「秋良。夏月はまだ寝てんの?見舞いに来たとけど…」 僕より二つ下の秋良はわざわざ玄関から外に出てきてくれて話してくれた。 「姉ちゃんは病院ばい。昨日から入院しとるよ。咳が止まんないんだってさ」 「はぁ?入院?マジ?」 秋良が冗談を言っていないことは口調で分かるが動揺を隠すため、いや隠せなかったかもしれないが確認をとる。 どうやら夏月は熱はそんなに高くなかったが、咳が止まらず病院にいったらそのまま検査入院となったらしい。 秋良の話しじゃ今日か明日には帰ってくるということだった。 「そんなに心配せんでも大丈夫ばい、春人君。いや春人兄さんかな?」 笑う秋良を見て、こいつまでこんな事をいうのかと呆れた。 ………しかし、それから更に3日過ぎても夏月は帰らなかった。  
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