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それは夏月も同じだったらしく僕に唐突な質問を投げ掛けた。
「春人はさ。キスしたことある?」
「はぁ?………ないけど…夏月はあんのかよ…」
「……へぇーないんだ。
私は……あるよ。
………キスしよっか…」
そう言って僕の了解を得る前に夏月は優しく唇を重ねてきた。
僕のファーストキスは何の味もしない、でも柔らかな感触だった。
「……ゴメンね。春人……私、お嫁さんになれなくて……」
その言葉で僕は幼稚園時代の、僕の一番古い記憶が蘇った。
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