虹の彼方へ

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  「……ゴメンね春人。約束守れなくて……… 私が病気なんかになっちゃって……… ゴメンね春人」 声が震えていた。僕は子どもをなだめるようにそっと返す。 「……まだ間に合うよ。夏月が退院して、僕らが結婚できる歳になったら…… ちゃんと迎えに行くから」 掴んだ夏月の肩は震えていて、それに耐えきれず強く抱き締めた。 強く。強く。 どこにも行かないようにと。  
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