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着信はアイツだった。
いやいや出る。が、やはり後悔した。
「なんだよ」
「あ、博?今日はハンバーグ作ったからレンジでチンしてね」
「あのさ……そんくらいで電話しないでくれる?
まじウザいから」
ボタンを押して電話を切る。投げつけて壊してやりたい気分だった。
「早く帰らないとママに怒られちゃいまちゅよー」
「うっせー。馬鹿。死ね」
「まあまあ、そう怒りなさんなってマザコンちゃん」
陸の尻に蹴りを入れる。
結局帰っても一人なんだ。小さい頃に両親は離婚した。それからアイツは夜も仕事を始めた。父親なんて顔も覚えてない。どうせ女作って出て行ったのだろう。
その遺伝子が俺の中にあると考えただけで嫌気がした。
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