髪は切りたい時に切る

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  「博!」 いつもの声は聞こえず俺は目覚める。 アイツが居なくなって三日が過ぎた。 いつものようにニット帽をかぶり財布を覗くと硬貨が何枚かしか入っていない。 面倒くさいが生きていくには金が必要だ。 玄関を出ようとした時に留守電のライトの点滅が目にはいった。 何気にボタンを押す。 機械音が流れてそのあとに知らない男の声が流れた。 「中央病院の池内です」 確か担当医だ。 「お母さんが危篤です。すぐに病院へ来てください」 俺が駆け出すまで、時間は掛からなかった。  
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