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「さぁねぇ、若かったわね。寒そうだったけど」
あの人だ!!!
そう思って、あたしは保健室から駆け出した。
「あっ、まだ安静にしてなくちゃ!!!」
先生の声を完全に無視をして行く。
走っている時にふと気づいたことがあった。あたしの左手の薬指に冷たい物があるのに気づく。
「指輪・・・」
母の形見の指輪がはまっていた。
あの人がはめてくれたんだ。
そう思って、ふと笑ってしまう。その指を右手で握った。
温盛があるような気がした。
その代わり、頬に冷たいものを感じる。涙腺は開いたままだった。
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