夢の果て・・・

8/12
前へ
/14ページ
次へ
「さぁねぇ、若かったわね。寒そうだったけど」 あの人だ!!! そう思って、あたしは保健室から駆け出した。 「あっ、まだ安静にしてなくちゃ!!!」 先生の声を完全に無視をして行く。 走っている時にふと気づいたことがあった。あたしの左手の薬指に冷たい物があるのに気づく。 「指輪・・・」 母の形見の指輪がはまっていた。 あの人がはめてくれたんだ。 そう思って、ふと笑ってしまう。その指を右手で握った。 温盛があるような気がした。 その代わり、頬に冷たいものを感じる。涙腺は開いたままだった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加