愛してないなんて云わないで

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親のイジメか俺の名前は呆汰。 小中呼ばれたあだ名はアキレタで、 それでもあいつは俺の事をろきたと呼んだ。 縦書きだとそう見えるから、って。 ほんとはほうただけどね。 結局本名で呼んでないけどね。 でもまあそれだけのことなのに、 俺の人生は変わった。 嬉しかった。 今まで嫌いだった自分の名前が ちょっとだけ好きになって、 そしてひなのことを好きになった。 電車を降りるともう慣れた道を歩いた。 道路にそって桜が咲いていて、 そして凄い良い天気で。 花粉さえなければ最高なのに… そんなことを思いながら角を曲がると そこは何回も通ったひなが埋まっているはずの墓地があった。
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