愛してないなんて云わないで

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いつもはひなの両親が朝早くからきていて花やらロウソクやらひなの好物だったチョコやらを代えて行っているから、 俺は何も持たずに唯お参りにだけ来ていた。 ひなの墓は大きな木下にあった。 良かった、杉の木じゃなくてとか思いながら バケツに水を汲んで、ひなの墓のもとに向かう。 ひなの墓の前に、 カッターシャツにベスト、 紺のプリーツスカートにハイソックス、そしてローファーという 古典的な女子高生スタイルの女の子が座っていた。 顔はよく見えないが、誰だろう。 今までひなの墓におまいりに来るといったら ひなの友達かひなの両親だけ。 ひなの友達って言ったって俺たちとタメのはずだから、 女子高生の知り合いなんていたのかな… そんなことを思いながらゆっくり近づいた。
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