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「あっ…ママ、これ借りただけだよ。」
たっくん必死です。
なにせこのママ、怒ると怖い怖い。
「じゃー何でけいちゃん泣いてるの!!」当たり前です。
ウルトラマン強奪されましたから。自分じゃ何も出来ない僕(けいちゃん)は只、眺めるばかりです。
「だって、だって…ウルトラマンが」
たっくん泣いちゃってます。
「早くけいちゃんに返して謝りなさい!」
怪獣に感謝です。
正義の味方はウルトラマンだけじゃないと感じた4才の春でした。
「けいちゃん、ごめんね?許して?」
すごすごと泣きじゃくりながら謝ってきました。
「うん。いいよ。」
僕は泣きながら許しました。
何故か途中から二人して大泣き
子供って泣くと止まりませんからねー。
怪獣…じゃなくたっくんママが僕の前に来て、
「けいちゃんもお兄ちゃんなんだからすぐ泣かないで奪い取りなさい!」
「ご、ごめんなさい」
僕、謝っちゃってます。
そしてたっくんはいつも通り抱えられて(まだ泣きながら)部屋へと連行され説教をくらうのでした。
そんな僕は体中で悲しみを表現しながら明日のウルトラマンを夢見て、人形片手にウルトラマンになりきって怪獣どもをやっつけるのでした…。
「喰らえ!タッコング!スペシウム光線だあ!」
なんとも情けない…トホホ。
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