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首を回して相手を見ると、嬢坂が腰に手を当てて立っていた。 「自転車でブレーキ踏まずに全力で突っ込んで来た奴が何を言う…」 「黙りなさい織地。」 嬢坂は怒っていた。身長低いくせに地面に倒れている俺を見下していた。 「アンタ、また私の心読んだでしょ!」 嬢坂は、俺の絶対的秘密を知っていた。幼なじみとは恐ろしいものだ。 キュン、という小さい音と同時に、俺の怪我はすべて治った。 これが、魔法。 これが便利だと思うなら、幼なじみに自転車で全力タックルも付いてくる。 「あ、私も腕切ったから治してよ。」 嬢坂の左の肘が赤くなっていた。切ったと言ってもその程度かよ。俺は頭からダバダバ血流してたぞ。 .
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