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「転校生来るから。」
担任の一言で、教室の中が色めきたった。
「転校生がそんなに珍しいか? なあ?」
隣の席の奴に話しかけると、うん。と返された。
確かに転校生は珍しいか。と考えを改めたところで、扉を開けて男が入ってきた。
「鍵谷静寂…静寂と書いてシジマと読みます。」
爽やかという言葉の代名詞として使うには、この静寂という男は申し分ないだろう。
その端正な容姿に、女子一同は言葉を失っていた。
ああいう奴こそが魔法を持っておくべきだろう。そしてヒロインの1人や2人でも助けてこい。
そんなやさぐれたことを考えている時、静寂と目があった。
“見つけた”
そう、静寂の声が聞こえた。
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