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「チッ…」
爽やか静寂君の舌打ちが聞こえ、とりあえず事態を理解しようと顔を上げた俺が見たのは、
静寂の右腕が、鋭利な鈍色の鎌に変化していた。
「う…わあああああ!!」
理性をかなぐり捨てて絶叫し、転がるように横へ避けた。俺のいた場所に鎌が突き刺さった。
「避けるのはやめてくれませんか? こちらもなるべく苦しめないように配慮しているんですが。」
平然とそう言った静寂の右手の鎌は地面に突き刺さっている。
今なら…逃げれるっ!
足に力を込め、階段を駆け昇った。
体育館なら、部活をしている生徒や先生がいるだろう。あんな奴を1人で対処するのは、普通高校生の俺には無理だ。
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