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何も覚えていなかった。 何も考えていなかったのかもしれない。 ただ学校へ行き、何も考えず席に座っていた。静寂の席が埋まることはない。そう考えると脳がガンガンと音をたてた。 どうすればいいのかまったくわからなかった。そうやって何も考えずいると、肩を叩かれた。 虎鉄だと思った。反応したくなかった。何もしたくなかったのかもしれない。 “すべて話します” 聞こえた声は、虎鉄でも準でも、嬢坂でもなかった。 振り返ると、この世の爽やか代表としていけそうな男が立っていた。 「…し…じま…」 唇に指を当てて、静寂は何の怪我もなくそこに立っていた。 .
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