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「ファナティックは空想上の生き物でした。すべての魔法を使うなんて、それはもう最強の域を逸して卑怯なんですよ。
例えばの話、じゃんけんですべての手に勝つものを持っているんです。」
自分の手を見た。15歳の手だった。
「でも…どうして死ぬんだよ…」
静寂は呆れるように、馬鹿にするように笑った。
「あなたの存在そのものが脅威になりえるんです。若い芽を摘もうとするのは当然ですから。」
その言葉に、背筋が寒くなった。俺の存在が誰かの脅威になる。それは堪らなく恐ろしいことだった。
「じゃあ…俺にどうしろってんだよ…望んでもないような力持って!」
そう言った時、静寂は呆れるように笑った。まるで疲れたような笑いだった。
「それも、きっと理由です。」
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