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「魔法を二つ持てるには修行をすればいいと言いましたよね。」
うなずいた。ついでに静寂がサウズということも思い出していた。
「修行は、死ぬより辛いものらしいです。実際に死人も出るそうですし。」
俺は言葉を失った。俺がどうしようもなく持て余していたこれは、誰かが死ぬほど努力してまで欲しいものだった。
「あなたが責任や罪悪感を持つ必要はありません。相手は逆恨みと妬んでいるだけです。それでも、狙われることには変わりありませんが。」
それは気休めにもならないと、きっと静寂もわかっていた。こいつもサウズだ。それを手に入れるために、いったい何を見たのだろう。
「…お前も努力したんだろ…」
「いえ、俺は生まれた瞬間からサウズでした。」
驚いて静寂を見た。爽やかに笑ってやがった。
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