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「俺は、人工の人形です。」
静寂は、まるで当然のことの様に言った。
「………は?」
「単価25万円、製造番号はfyjw01。商品名は『スラブ』魔法の世界では一番手頃な人形ですね。」
淡々と、静寂は自らの価値を言葉にした。
「な…お前が人形…?」
「はい。昨日壊れた番号jdmp653の代わりに来ました。」
人形ということも理解できなかったが、それ以上に、
昨日、壊れた?
俺の言いたいことがわかったのか、静寂は先に答えた。
「昨日の俺は、壊れましたよ。あなたも見たでしょう。あの猫。」
赤に染まるクリーム色の猫を思い出した。
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