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「なっ…何しやがるちびっこ!」
俺の後ろには、嬢坂が立って腕を組んでいた。
「あんたがなんか暗くなってるからでしょ。気持ち悪いのようるさい奴がこんなに静かだと。」
それを聞いて、こいつは俺を元気付けようとしていることがわかった。心を読まなくてもその程度はわかる。
あ、ヤバい。
いつもと変わらない日常と、俺を無条件で信じてくれる奴ら。
それは変に暖かく優しいから、俺は不意に泣きたくなってしまった。
「はっ。夜中まで勉強していた俺が眠たくなるのは物の通りというものだ。」
ここで泣くわけにはいかない。たとえどれだけ小さくとも、俺にもプライドというものがある。
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