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「…ってお前と話してる暇はねえ! 嬢坂を探してんだけど知らないか?」
知らなくても、こいつなら人探しの魔法を知ってるかもしれない。
「あ、知ってます。」
しかし、静寂は簡単にそう答えた。
「っ…どこだ!?」
俺が慌てているのが見えないのか、静寂はひどくゆっくりとした動作で右腕を上げた。
「学校です。」
「は…?」
学校、とは。忘れ物でもして迷子になったのだろう。
「ま、しゃーねえな。迎えに行ってやるか。」
学校までの道は一本だし、すれ違うことはないだろう。
「あ、今は行かないほうがいいよ。」
んあ? と静寂の言葉の意味を聞き返した。
「だって…
魔法使いが彼女を殺そうとしているから。」
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