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「…それは…戦うつもり?」
それには言葉で答えず、冷たい机の足を持つ手に力を込めた。
「くくっ……くははははははっ!!」
それは体を曲げて笑いだした。幼い声にも関わらず狂ったような笑い声だった。
「いいねっ! 命乞いするんじゃなくて戦うか! これは久々に楽しく殺せそうだ!」
幼い声で高く笑うそれは、嬢坂がその行動に出たことに気付くのが、一瞬だけ遅れた。
それは思っていた。嬢坂は後ろの扉か窓から逃げると。
なので、窓と扉には既に槍を待機させていた。触れた瞬間に嬢坂の体は細切れになっていただろう。
だから、
嬢坂が自分に向かって机の足を振り下ろしていることは、まったくの予想外だった。
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