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それから、どれだけの時がたったのか、嬢坂は視聴覚室で座っていた。
息は切れ切れで、脇腹からは制服が避けて血が滲んでいた。頬に長い傷があり、そこから落ちる血が肩を赤く濡らしていた。
窓の外はいつの間にか暗い。単純計算でも2時間は逃げているだろう。
「はっ…あのっ…ばか…」
それでも、嬢坂は深夜を信じていた。
死にそうな今が怖くないわけがない。本当は狂った野郎なんて相手にしたくないしそんな奴相手に何時間も逃げていられない。
それでも深夜は来る。
馬鹿でアホで変態でどうしようもないヘタレだけど
馬鹿みたいにまっすぐな奴だから、深夜は絶対に来る。
その時に私が死んでたら、ごめんじゃすまないでしょ!
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