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「もう鬼ごっこは終わりだね。」
それが片手を上げると、それに従うように床が持ち上がった。そしてそれは槍の形を成した。
「ばいばい。」
ヒュン、と空気を軽く切り裂くような音と同時に、槍が嬢坂の喉元に向かってきた。
――オレが絶対、じょーさかを守るから!
「…深夜………助けて…」
ああもう無理かな、と小さく諦めた時、
槍は目の前で動きを止めた。
嬢坂が何かを理解する前に、キュン、と小さい音と同時に怪我がすべて治った。
約束は、守られた。
「大丈夫か、嬢坂。」
織地深夜が、扉の前に立っていた。
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