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視聴覚室の扉を開けると同時に、嬢坂に槍が向かっていった。
「…深夜……助けて…」
確かに、その声を聞いた。
――任せろ。
「止まれ」
それだけで、槍は動きを止めた。
声をかける前に治療の魔法を使った。嬢坂が俺を見た。その表情に安堵が広がるのを見て、とりあえずは安心した。
「は…何お前。何したの?」
知らない奴は言ったが、それには答えない。相手を見もしない。
嬢坂の肩を支えて、もう怪我がないか確認した。
「……遅いんだよ馬鹿…」
ごめん。と小さい声で謝ると、嬢坂は笑っていた。
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