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「もう諦めてくれないかな? 人形さんは壊れないよう新しいプログラム入れてあげるからさ。」
そんなことを言っても壊されることは両者ともわかっていることだ。
「拒否しますね。」
なぜ、そう思ったかはわからない。多分、欠陥だろうと思った。
バグから発生した自分に欠陥があろうと、あまり気にしてはいなかったが。
「俺は今、鍵谷静寂という人間なんでね。」
なかなか悪くないバグだ。そう思って、ニヤリと笑ってみた。
「……変な人形。」
「あいにく、欠陥品ですから。」
後ろから、立ち上がる気配を感じた。
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