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怒っている嬢坂を無視して、頭に手を乗せ勝手にトマトを食べた。
「あ馬鹿!何勝手に食べてんの!」
「んなケチいこと言ってたら彼氏できねーぞ。」
「なっ……アンタに言われたくないわそれ!」
「おいそれどういう意味だちびっこ。」
「言葉通りの意味だよ年齢=彼女いない歴の典型的童貞!」
「カッチーン。今のは心に深い傷を負いました。よってトマト絶滅の刑。」
皿に残っていた最後のトマトを口に運んだ。季節感が薄れて嫌だな。
「ばっ…終いには殺すよこの阿呆!」
「そんな仏頂面してっとモテねえぞ。」
「誰のせいよ誰の!」
ギャンギャン騒いでいる嬢坂の頭を抑えながら、右のずっと向こうを見ていた。
“そろそろ行くかな”
誰かの声が聞こえた。あそこが空く。
「んじゃ行くかな。好き嫌いすんなよちびっこ。」
「絶対アンタ殺してやる!んで葬式で灰ばらまいて綺麗な桜咲かしてやるわ!」
俺は犬ではないんだが。
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