7/12
前へ
/105ページ
次へ
怒っている嬢坂を無視して、頭に手を乗せ勝手にトマトを食べた。 「あ馬鹿!何勝手に食べてんの!」 「んなケチいこと言ってたら彼氏できねーぞ。」 「なっ……アンタに言われたくないわそれ!」 「おいそれどういう意味だちびっこ。」 「言葉通りの意味だよ年齢=彼女いない歴の典型的童貞!」 「カッチーン。今のは心に深い傷を負いました。よってトマト絶滅の刑。」 皿に残っていた最後のトマトを口に運んだ。季節感が薄れて嫌だな。 「ばっ…終いには殺すよこの阿呆!」 「そんな仏頂面してっとモテねえぞ。」 「誰のせいよ誰の!」 ギャンギャン騒いでいる嬢坂の頭を抑えながら、右のずっと向こうを見ていた。 “そろそろ行くかな” 誰かの声が聞こえた。あそこが空く。 「んじゃ行くかな。好き嫌いすんなよちびっこ。」 「絶対アンタ殺してやる!んで葬式で灰ばらまいて綺麗な桜咲かしてやるわ!」 俺は犬ではないんだが。 .
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加