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「何でてめえは嬢坂を狙った?」
俺の後ろに座る嬢坂が動く気配を感じた。
俺だって馬鹿じゃない。そんな理由はわかっている。
「頼まれたの。明確な理由は聞いてないけど、君がファナティックだからでしょう?」
だよな、と苦虫を噛み潰すように呟いた。静寂がそいつの腕を引いて行った。
視聴覚室に残された俺は、嬢坂の前にどっかりと座った。
「えっと…あの……ごめん…」
「…何であんたが謝るのよ…」
何とも形容し難い空気を先に破ったのは、俺の言葉だった。
「俺のせいで死にかけた。だから、俺にはもう近付くな。」
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