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「あんたは本当に馬鹿よ! 私がなんで毎朝走ってたと思ってるの!」
まったく言葉が理解できていなかった。嬢坂はまっすぐににらんで声を張り上げた。
「魔法なんて持ってるあんたの足引っ張りたくないのよ!」
それは聞いたことがないほど必死な声。
そこまでこのチビが考えていたなんて、知らなかった。
何よりも、強い覚悟は俺にはなかったものだった。
「…俺は、」
覚悟なんてないし馬鹿だし弱いけれど。
「強く、なれるかな。」
せめて、大切な人を守れるぐらいには。
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