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走って先に行き、人通りの多い場所から振り返った。
思い切り空気を吸い込んで、きょとんとしている嬢坂に向かって、声を張り上げた。
「この最大級哺乳類!!」
嬢坂がその言葉の意味を理解する前に、全力で学校まで走り出した。
「待てや深夜ァー!!」
うはは。と笑いながら走り続けた。
嬢坂の名前は、久白――あの身長で、“クジラ”という名前なんだ。
それが小さい頃からのトラウマで、誰にも呼ばせない名前だ。
別に呼んでないからいいとも思うんだがな。
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