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嬢坂から全力で逃げた俺は、視聴覚室で座っていた。
「はっ…あのチビ…早え…」
毎朝走っているだけはあるのか、嬢坂の体力は男子平均はありそうだった。
それでも逃げ切れたのは、命を賭けるほど本気で逃げたから。
「あー、また一時間目ふけちまうか…」
次の時間は数学だ。テストが返ってくるだろうからフケることにした。
長い息を吐いた時、床にロープが落ちているのを見つけた。
視聴覚室はマクベスと戦った場所だ。ならばあのロープは俺が出した物だろう。
『助かりたいなら聞きなさい!!』
あの時、聞こえた声は何だったのだろうか。
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