10/18
前へ
/105ページ
次へ
ガタン、と壁を殴るような音が聞こえたので振り返ったが、そこには誰もいなかった。 「……幻聴か?」 やっぱり疲れているらしい。このまま帰ってやろうか。 ガタンッ! それを幻聴で片付けるのは難しくなってきた。 「誰だ!? 地味な嫌がらせしてんじゃねーよ!」 扉を蹴っている奴でもいるのだろうと、少しイラつきながら扉を開けた。 しかし誰もいなかった。 「…逃げたか?」 今は授業中だとはなるべく考えず、小さくため息を吐いた。 「お兄ちゃん遊ぼうよ」 誰もいなかったはずの視聴覚室から幼い少女の声が聞こえた。 .
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加