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ガタン、と壁を殴るような音が聞こえたので振り返ったが、そこには誰もいなかった。
「……幻聴か?」
やっぱり疲れているらしい。このまま帰ってやろうか。
ガタンッ!
それを幻聴で片付けるのは難しくなってきた。
「誰だ!? 地味な嫌がらせしてんじゃねーよ!」
扉を蹴っている奴でもいるのだろうと、少しイラつきながら扉を開けた。
しかし誰もいなかった。
「…逃げたか?」
今は授業中だとはなるべく考えず、小さくため息を吐いた。
「お兄ちゃん遊ぼうよ」
誰もいなかったはずの視聴覚室から幼い少女の声が聞こえた。
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