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ばっと顔を上げると、視聴覚室の長い机の上に、一人の女性が座っていた。 腰まである白い髪。透き通るような白い肌とは言うが、実際にその人の青白い肌は透き通っている。白い着物から伸びる細い手足…足はなかった。 「……は…?」 誰もいなかったはずの場所に突然現れたその人は、妖艶に笑うと口を開いた。 『幽霊なんているわけない? 残念ね。いるわよ? ここに。』 理解したくないが、わかりたくないが、 幽霊が、目の前にいた。 「なっ…!」 うわ幽霊だ本物だ足ねえよ白い着物着てるよあれ浴衣だっけてか透き通ってるよ白い髪とか若いのに苦労してるのねって違うわとりあえずぎゃー!! .
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