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『思念体。人の思いが凝縮してできる。信仰は本当に神を作り、恨みは化け物を形作るの。
数と強さにより思念体の強さは変わっていく。信仰者の多い神は奇跡すら起こし、丑三つ時に打たれた呪いの思念体は殺人すら犯してみせる。
けれど、恨みの思念体が悪の心を持つわけじゃないの。
神も私怨で人を殺すし、悪魔でも人助けをする。
けれど、負の感情から生まれた場合は悪魔と、善の感情から生まれたなら神、どちらでもない場合は幽霊などに定義されるだけ。』
饒舌に話し終えた幽霊さんは、ふぅ、とため息を落とした。
「…聞きたいんだが、」
信じられないような話だが、魔法のおかげで大抵のことは信じられる性格になっていた。
「幽霊さんは…」
『レイって呼んで。私の名前よ。』
「レイさんは、いったい何の感情から生まれたんですか?」
それを聞くと、レイさんは優しく笑った。そうやって笑う顔はとても綺麗でドキリとした。
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